(前回のまとめ)
試作業者は、試作をしたい人ができない試作を請け負う会社のこと。
数個~数百個レベルの試作なら、試作業者に任せた方が安いし速い。
(株)渡辺製作所は試作業者です。
ウチの場合で、試作業者をもう少し具体的にご説明。
【試作業者の特徴】
・まずもって、作るのが速い(超短納期)
・対応個数は1個から少量
・特質した技術(知識)ではなく、一般的な加工技術(知識)を幅広く持っている
【スピード(納期)について】
量産屋は、実際の量産に移行するのに1ヶ月~数ヶ月かかる。
しかし試作業者は、数日~数週間で製品を用意する。
試作業者はスピードが命
【対応する個数について】
量産屋は、それこそ数万個~数十万個~もっと、の個数を作ることが仕事。
試作業者は、1個から数十個、多くても千個ぐらいまで。ただし、作る部品は多種になる。10種類の部品を各5個づつとか。
【試作業者の加工分野について】
量産屋はそれぞれ業種が分かれており、その筋の仕事をする。例えばプレス屋だったら、プレス加工でできる製品ばかりを作る。金属の板を打ち抜いたり、曲げたりするのがプレス加工だから、できる製品は金属製品。つまりプレス屋がプラスチック部品を作ることは無い(はず)。
試作業者はあらゆる業種の仕事を依頼される。金属部品も樹脂部品も作る。「コレしかできません」では試作業者はできない。自社で出来ないなら協力企業にも依頼し、何としてもお客様の要求に応えるように全力投球する(もちろん限界はあるけれど)。
【試作業者のお客様について】
メーカーのお客様は消費者であったり企業であったり、不特定多数の人々。メーカーに部品を供給するサプライヤーは、もちろんメーカーがお客様。では試作業者のお客様は?
試作業者のお客様は、主にメーカーやサプライヤーにいらっしゃる開発者や設計者、大きな会社だと購買部の方も。個人の方からの試作依頼もすることもあるけれど、仕事量としてはマレ。あとは同業者からも依頼があります。
【試作業者の武器】
試作業者の武器は何と言ってもネットワークだと思う。お客様の多種多様な課題をクリアするためには、いろんな加工業者や職人とのパイプが欠かせない。自社内においても加工現場の人たちと関係を良好にしておかないと、いざという時のネゴができない。試作業者は短納期がウリだから、めちゃくちゃ納期のない依頼も結構ある。加工者に無理な日程でお願いする時が頻繁にある。人間関係は大切。でも、試作業者に限ったことじゃないか・・・あとは幅広い加工知識かな。
【試作業者に必要な知識や技術】
まず当たり前に図面の読み方(公差とか記号とか)。基本的な材料の種類とそれぞれの特性。加工方法の種類。2次処理・表面処理の種類。3D-CADの使い方。二次元CADの使い方。PCの基礎スキル(メールやオフィス系ツール)。
あくまで試作業者の営業目線の話。加工側は別のスキル(モノづくりスキル)が必要。
【試作業者の心掛け】
・クライアントファースト。お客様の課題を解決するのが仕事。たまに追い込まれると忘れそうになるけど、これがビジネスの基本ですよね。
・簡単に諦めない。パッと見て「無理」と判断しない。本当にできないものなのか、他に提案できることはないのかを検討する。作る方法は一つじゃない。作る人も一人じゃない。
・品質は当然。速さが大切。このご時世、機械加工で精度がいいのは当たり前。あとはどれだけ早くできるか。でも加工にかかる時間は縮まらない。如何に段取りを効率的にするかがポイントになる。
今回は、かなり私見の入った内容になってしまった、、、
まぁいいか。ココは社員ブログだし。一社員の見解を載せる場だし。
早く一人前の試作マンになりたいなぁ